葉酸不足と病気

 妊婦にとっては葉酸は欠かすことの出来ない栄養素ですが、それは葉酸が不足してしまうと胎児の発育に悪影響がでて、病気を引き起こす可能性があるからです。胎児に現れる疾患の中でも最も気をつけるべきは、神経管欠損障害です。これは脳や脊髄を構成する神経管を作る事ができないという障害です。胎児が神経管を形成するのは細胞分裂が活発な妊娠直後から妊娠三ヶ月目にかけての期間であり、この期間に葉酸不足を起すと神経管の形成が上手くいかないのです。
 厚生労働省の見解では、葉酸を十分に摂取することによって、神経管欠損障害のリスクは大幅に下がるとされており、妊娠直後から妊娠三ヶ月目にかけて食事のほかにサプリメントから毎日400μgの葉酸を摂取することによって、発症リスクは70%も下がるとされています。
 先進諸国ではこの事実に注目し、神経管欠損障害のリスク低減のために、1990年代から国家政策として葉酸の摂取を推進しています。
 ちなみに神経欠損障害は、神経管の欠損箇所によって二分脊椎症と無脳症という疾患を引き起こします。二分脊椎症は神経管の下部に障害が起きることによって、下肢の運動障害により穂婚困難や、膀胱・直腸の機能障害による排泄困難が引き起こされます。また、無脳症の場合には脳が形成不全となって頭部が正常に形成されないこととなり、ほとんどの場合において流産か死産にいたります。もしくは生まれる事ができても短時間で死にいたります。葉酸不足はこのような恐ろしい病気を引き起こすことがあるのです。
 この他にも、葉酸不足によって退治の病気の他にもいくつかの病気が引き起こされることとなります。例えば葉酸は赤血球を作る働きがあるため、不足すると赤血球が作られなかったり、機能の低い赤血球が作られる事となります。その結果貧血が引き起こされますが、これは鉄分不足によって引き起こされる貧血に比べて症状が重いため、特に悪性貧血と呼ばれます。立ちくらみやめまいといった通常の貧血の症状に加えて、頭痛や吐き気、動機、息切れなどの様々な症状が現れることが悪性といわれる所以です。
 また、葉酸は粘膜の元になるため、不足することによって胃や腸。口内の粘膜が弱くなり、胃腸炎や口内炎が起こりやすくなります。
 さらに、血中のアミノ酸システイン濃度が高くなる事によって血管が硬くなったり、狭くなったりすることによって血流が悪くなり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧などの原因となります。

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