葉酸サプリメントと厚生労働省の見解

 日本では最近になって葉酸の重要性が認知されるようになって来ましたが、これは厚生労働省主導で葉酸摂取を呼びかけているという運動が背景にあります。食事としての葉酸摂取に加えて、意外にもサプリメントからの葉酸摂取を推奨しているのです。
 なぜ厚生労働省が葉酸サプリメントを推奨しているのかというと、それは一日の野菜の推奨量である350gを摂取しても、妊娠予定の女性や妊婦にとって十分な葉酸を摂取できないからです。
 アメリカを始めとする諸外国では、国策として葉酸の摂取を推進しています。パンやパスタ、シリアルなどに葉酸が配合された食品が流通しているほどであり、葉酸不足を補う政策を国単位で行っているのです。これは妊婦が葉酸を十分に摂取することによって、神経管閉鎖障害の発症率を下げる事を目的としており、その成果は着実に現れています。日本でも最近になってようやく、この世界的趨勢に遅れを摂らないため、葉酸摂取の呼びかけを始めたのでした。

 日本でも最近では、葉酸を加えた食品や野菜ジュースなどの販売が始まりましたが、これらの食品が消費者の生活に浸透しているということは出来ません。諸外国ではこれらの取り組みが1990年代から始まっているのに対して日本では2000年代になってからの取り組みであるため、約10年のブランクを抱えた状態なのです。海外は日本の1歩も2歩もさきを言っています。
 
 平成12年の暮れ、厚生労働省から正式に葉酸摂取推進が発表されました。「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」という発表であり、その主要な内容は以下の鳥です。

妊娠を計画している女性に対しては、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるために、妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの間、葉酸をはじめその他のビタミンなどを多く含む栄養のバランスのとれた食事が必要であること。野菜の摂取を350g程度にすることなど、各食品について適正な摂取量を確保すれば、1日0.4mgの葉酸の摂取が可能であるが、現状では食事由来の葉酸の利用効率が確定されていないことや各個人の食生活によっては0.4mgの葉酸摂取を確保するのが困難なことが予測されること、また、最近の米国等の報告では神経管閉鎖障害の発症リスク低減に関しては、食事からの摂取に加え0.4mgの栄養補助食品からの葉酸摂取が勧告されている等の理由から、我が国において、当面、通常の葉酸摂取量に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取することとすれば、神経管閉鎖障害の発症リスクは集団としてみた場合そのリスクが低減されることが期待されるものである旨、情報提供を行うこと。高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にするので、医師の管理下にある場合を除き、葉酸摂取量は1日当たり1mgを越えるべきではない。

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