母子手帳でも葉酸摂取を推奨

 2000年に入ってから、諸外国の動きに比べれば遅れをとっているものの、日本でもようやく厚生労働省主導で葉酸の摂取を推進する取り組みが始まりました。葉酸の推進に国家単位で取り組むという姿勢が最もよく現れたものとして、2002年の4月から、交付される母子手帳のなかにも葉酸の重要性が掲載されるようになりました。
ただし、葉酸が最も大量に必要となる時期は妊娠の1ヶ月以上前から3ヶ月目の時期であるため、 母子手帳をもらうときにはその最も重要な時期を過ぎてしまう事となります。葉酸が必要な時期を過ぎてから葉酸の重要性を知っても後の祭りであるため、この部分には整備が必要となるでしょう。妊娠三ヶ月目以降も積極的に葉酸を摂取したほうがいいという観点からの記載となっています。

 しかし上記の問題点を深く考えると、母子手帳への記載が逆効果となることも考えられます。例えば葉酸が最も必要となる時期を過ぎてから母子手帳をもらい、そこで初めて葉酸の重要性を知り、その重要性を深く調べたとき、その人が葉酸をあまり摂取していなかった場合に不安感を煽ってしまう可能性があるということです。

 なかには妊娠3ヶ月目までの葉酸不足によって奇形児が生まれるというような、不安を煽るだけの極端な情報もあるため、これが妊婦の不安を大きく煽る事となってしまうのです。妊婦のときは不安定な状態であるのに、そのうえに不安要素を抱えるというのは母子に悪影響以外の何者でもありません。

 このことから妊婦における葉酸摂取に対する正認識が必要となります。葉酸の役割は、あくまで神経管閉鎖障害のリスク低減にあります。葉酸不足によって必ず神経管閉鎖障害が発症するというものではなく、同時に葉酸を摂取することによって必ず神経管閉鎖障害を回避できるというものでもありません。あくまで統計から見たときにリスクを低減できるというものに過ぎません。

 このことは、葉酸サプリメントを購入するときの一つの判断基準となります。つまり、葉酸不足によって神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるなどという主張をすることによって不安を煽っているようなメーカーのサプリメントは信用に値しないという事です。確かにこの主張は間違っていませんが、人の不安を煽ってそれを食い物にするようなメーカーは真摯的とはいえません。そのため、葉酸サプリメントを購入するときには、葉酸の効能を真摯に謳っているようなメーカーの商品を選ぶというのも一つの選定基準になる事でしょう。

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