妊娠確率と葉酸

 ネットなどで葉酸に関する情報を収集していると、葉酸を摂取することによって妊娠の確率が上がるというようなニュアンスを含んだ情報や、妊娠確率が上がるとしている情報も見られますが、これは取り違いをしやすい情報です。現在においては、女性が葉酸を摂取することによって妊娠確率が上がるという事は希望的観測にすぎず、科学的に立証されている事ではありません。ただし今後、妊娠と葉酸の関係に関す売る研究がすすむ事によって、妊娠確率があがるということが立証される可能性はないとはいえません。現時点では不明であるため、現段階で女性が葉酸サプリメントを摂取する目的は、妊娠後の胎児の成育に役立てるためといえます。

 女性の葉酸摂取による妊娠確率の上昇を示唆するような研究結果はいまだにないのですが、一方で男性が葉酸を摂取することと妊娠の確率における事情は少し違います。なぜならば男性が葉酸を摂取した場合、葉酸の効果によって精子における染色体異常をおこした個体数が減少されるということが分かっているからです。これはアメリカのアリフォルニア大学の研究チームの研究によって明らかになったことです。

 健康な一般男性においても、1~4%の割合で精子の中に染色体異常をおこした個体が存在するものです。葉酸によって染色体異常を起した精子を減らすことが出来るという事は、理論上から考えると、正常に受精する事ができる精子の量が増えるということとなります。このことから、男性が葉酸を十分に摂取して精子の奇形を減少させることによって、妊娠の確率が上がる可能性が十分に考えられるのです。染色体異常の個体数は葉酸の摂取量に比例して減少していくという研究結果が得られていますが、葉酸の1日の耐用上限量は1000μgに制限されているため、これを越える量の摂取は控えるべきです。

 以上より、男性の葉酸摂取には妊娠確率を挙げるという効果があり、女性の葉酸摂取には胎児の成長に役立つという効果があるということが分かります。したがって、子作りをするという取り組みをよりよい環境で行うためにも、葉酸サプリメントを活用していくというのは、夫婦一緒に取り組むのが理想的と言えます。
 妊娠計画中から妊娠発覚までは夫婦でともに葉酸を摂取し、妊娠が発覚してからは、サプリメントを摂取するのは妻のほうだけでかまわないでしょう。
 ただし、男性の葉酸摂取は、健康な一般男性において1~4%存在する染色体異常精子の割合を減らすこととなりますが、0~4%の幅で染色体異常の個体数が減少したところで、著しい効果が期待できるものではないことを認識しておきましょう。

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